常世へ13―現実味を帯びてきた喪失感
2009年 04月 05日
先生には学生時代のみならず、卒業後の辛い状況にも見守っていただきました。そのうえ、お仲人までしていただきました。五年後に生まれた息子を、先生はことのほか喜んでくださり、アロハシャツでおいでくださった先生を支えに、つかまり立ちをした七ヶ月の息子の姿を昨日のように思い出します。その子もいまは高校三年生。部活に熱中し、ほんのすこし受験勉強にも目覚めているこのごろです。
住居は先生のご自宅とそれほど遠くはないものですから、いつでもお目にかかれると思っていたのです。うかつなことでした。
校庭の桜木が日毎に色を濃くしています。それをながめる余裕もなく、新学期の準備に慌ただしい時間を送りながら、御冥福をお祈りしております。 (み)