人気ブログランキング | 話題のタグを見る

手にとれば消える

長月の初古郷に帰りて、北堂の萱草(けんさう)、も霜枯果て、今は跡だになし。何事も昔に替りて、はらからの鬢白く眉皺寄て、唯命有てとのみ云て言葉はなきに、このかみの守袋をほどきて、母の白髪おがめよ、浦島の子が玉手箱、汝が眉もやや老たりと、しばらくなきて

手にとらば消んなみだぞあつき秋の霜    (芭蕉・野ざらし紀行・貞享元)

 この句の三年前にも、

藻にすだく白魚やとらば消ぬべき       (桃青・真蹟短冊・延宝9)
by bashomeeting | 2009-06-07 13:02 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting