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高山麋塒宛、芭蕉の俳諧五箇条

 六月二十日にふれた高山麋塒宛書簡にある句作の五箇条のすべてを書きとめておこう。天和二年(一六八二)芭蕉三十九歳の俳論である。

一、一句前句に全体はまる事、古風・中興とも申すべくや。
一、俗語の遣ひやう風流なくて、また古風にまぎれ候事。
一、一句細工に仕立て候事、不用に候事。
一、古人の名を取り出でて、「何々のしら雲」などと言ひ捨つる事、第一の古風にて候事。
一、文字あまり、三四字・五七字あまり候ても、句のひびきよく候へばよろしく、一字にても口にたまり候を御吟味有るべく候事。

 咀嚼すれば、「一、付合は前句の匂い(余情・余韻)の形象化であり、前句の意味によるベタ付になってはいけない。ベタ付は貞門・談林の手法である」「二、和歌に用いられない日常語は抒情という秩序のなかで用いてはじめて新鮮なのであり、それがなくては貞門や談林の作風と変わりない。要するに俗語と正すこと、高悟帰俗ということ」「三、腕前を見せようとしない、つまり技巧に走らないこと」「四、安易に本歌取りをしないこと」「五、字余りや字足らずが悪いのではなく、句の調子の整わない句がいけない。舌頭に千転すること」ということだろう。
by bashomeeting | 2009-07-03 15:10 | Comments(0)

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