2007年 01月 30日
悪い句
俳句でもっとも嫌うのは観念の表出に終わっている句である。つづいて、説明、報告、理屈に終始している句。更には風流ぶり、思わせぶり、上手ぶり等、或は奇を衒った句等も嫌われる。いずれも詩情が無いからである。
雨に濡れ日に乾きたる幟かな 虚子
という人口に膾炙されている句を若い日の素十は「悪い句ですね」と言ったそうである。虚子はにこにこと「悪い句です」と答えたという。その心は理屈。この師弟ならではの逸話である。
2007年 01月 23日
寒鴉の羽衣
2007年 01月 04日
ドンキホーテな日々
ここだけの話だが、『おくのほそ道』で芭蕉が宿を借りるのに難儀した石巻へ行ってきた。先生との二人旅はまことに久しぶりである。S家を訪ね、Z寺で過去帳の披見を許してもらい、日和山から芭蕉の見た景色を余すことなく脳裏におさめた。そして、理解あるタクシー運転手に出逢って、曽良の旅日記通りのコースで、北上川を登米町(とよままち)まで上るという贅沢をし、美しすぎるこの登米という町の歴史を丁寧にながめて、十八世紀に俳僧雲裡がこの地に植えつけた、芭蕉信仰の念とは何であったかに思いを馳せた。
そして、帰宅後二日間、発熱で寝込んでしまった。ここだけの話だが、ドンキホーテは、このごろ体力が落ち始めているようだ。
ところで、コトシモ ヨロシク。