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 よく生きるとはどういうことか。こんな本を書いた人を、その例に挙げてよいのではないか。
 この著者は山形県在住で、先に県内の百観音を巡り終えて、その次に思いついたのが奥の細道を歩くこと。観音巡りが信仰心からでなかったように、奥の細道についても研究目的や俳句にたしなみがあってのことではないという。ただ『おくのほそ道』と『曽良旅日記』そして『奥細道菅菰抄』を手引きにして、自分の足で歩いてみたかったからだという。曽良の日記にある地名を道路地図上に探して印をつけ、その点と点を結んで距離を計算し、脚力を考慮して旅の計画を立てて歩く。知的な人である。この旅の二年半前に脳梗塞で倒れた病歴を持ち、再発の危険性を抱えてのことだが、「古人も多く旅に死せるあり」と書いた芭蕉の、その決意と覚悟に励まされたとある。そして、病気もせず、怪我もせずに、長い旅を終えることができたことをよろこび、それは間違いなく、「存命の悦び」と言わねばならないと結ぶ。脱帽である。
 第一章の「日光・那須路」に全八節、第二章の「奥州路」に全十節、第三章の「出羽路」に全六節、第四章の「越後・北陸路」に全十六節、第五章の「むすびの地」に全三節を置く。付属資料に行程表を載せていて示唆に富む。堅固な人である。曽良の旅日記顔負けの、道の記と作者と言ってよいだろう。2005年5月16日刊。全301頁。頒価1,890円。
by bashomeeting | 2007-12-04 05:30 | Comments(0)

よい句を作ろうと…

よい句を作ろうと考えたことはない。
よく生きようと考えたことはある。
なかなかむずかしいのだが…。
by bashomeeting | 2007-12-04 03:15 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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