<   2012年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧

■表題 「第八回 風雅の栞」(前表紙)

■内容 序・謝罪文・「第七回 選抜秀句賞與人名」・「第八回 風雅の栞 春季之部」・「第八回投句者俳名列記」・「大阪好吟會々則」・「投吟者心得」・「謹告」奥付。「問答欄 第二輯」・「本欄投稿者注意」・「懸賞互撰發句大募集廣告」・その他の広告

■刊記 「明治廿六年三月十二日印刷/仝年仝月十三日出版/(定価五拾銭)/發行人 大阪市東區石町壹丁目五番屋敷 福田熊太郎/編輯人 大阪市東區石町壹丁目五番屋敷 妹尾多茂吉/印刷人 大阪市東區平野町四丁目九十壹番屋敷/發行所 大阪市東區石町壹丁目五番屋敷 大阪好吟會」(奥付)   「明治二十六年三月印行」(背) 
by bashomeeting | 2012-11-28 18:00 | Comments(0)
   

 眼鏡屋は、PCで仕事をするせいだと言っていたが、視力の低下が実感されて悲しいので、このごろ車窓から自然が見えるときは、遠くの山や木々を凝視して回復を試みる。先日、その目が読売新聞の車内広告をとらえた。涙する女の写真を出して、コラム「編集手帳」」の一節を載せている。ちょと心が動いて書き留めた。今日の午後はどことなく疲れて、仕事の能率が悪いので、気散じに紹介する。

 紅葉が美しく色づくには三つの条件があるという。昼間の日差し、夜の冷気、そして水分である。悩みと苦しみ(冷気)に打ちひしがれ、数かぎりない涙(水分)を流し、周囲からの温かみ(日差し)に触れて、人の心も赤く、黄いろく色づく。紅葉の原理は、どこかしら、人生というものを思わせぬでもない。                 ―500字に今日を刻む「編集手帳」―

 落葉の季節には、演歌のような、こんな車内広告が似合う(マテヨ、ミンナスデニ読マサレテイルノカナ)。

   柿の木の下の仏に柿落葉     久保虹城
by bashomeeting | 2012-11-26 17:19 | Comments(0)
 枯葉が舞い込むように、服喪の知らせが届く。数年前まで、ボクより若い友人が不意に逝ってしまうのを悲しんできたが、昨年最初の喪中端書が、貧しい学生時代を支えてくれた北海道在住の同級生だったときはショゲテしまった。たいして恩返しをしていなかったのに加えて、ボクには知らせるなと、病の床で奥さんに命じていたことを聞かされたからだ。年が明けて、墓参りの機会をさぐっていたら、飛び石連休に、今度は竹馬の友が長逝。彼は高等学校を卒業して就職し、名のある自転車会社の社長にまでなった生真面目な男だった。都合をつけて、今夏は一人の墓参と、一人の霊前に手を合わせる帰省になった。

 西行は「とふ人も思ひたえたる山里のさびしさなくば住みうからまし」(山家集・雑歌)と詠み、芭蕉は「喪に居る者は悲しみをあるじとし」(嵯峨日記)と書いたが、こうした古人に学びながらも、残された者はみんな前へ進むしかないのであろう。

  シャンソンの如く木の葉の散ることよ     大西ヒロコ
by bashomeeting | 2012-11-26 16:51 | Comments(0)
 必要があって、ちょと子規を読み直していて、考えてみれば、人はみんな自分の人生の設計士(planner,designer)なんだよなあ、と思い返した。そして、高等学校の古典の授業で、あなたたちは自分の好きな人生を歩んでいいのよ、と言っていた松岡百合子先生を思い出した。
by bashomeeting | 2012-11-19 11:03 | Comments(3)
いはそそく垂水の岩の月光に酔ひ酔ひて寒きパトス燃え立つ
ちはやぶる神にしあれば言の葉は明るき闇を秘めにけるかも

〔解題〕江田浩司歌集『まくらことばうた』。北冬舎、平成24年11月刊。「ポエジー21」シリーズ、第Ⅱ期3として刊行された。〈初句の「枕詞」と、それにより導き出される「被枕詞」に触発されて創作したもの〉(あとがき)をいろはうた順に配列。日高堯子・島内景二・田野倉康一が栞文を書いている。一読して、ボクは延宝年間の芭蕉を思い浮かべた。
by bashomeeting | 2012-11-13 02:46 | Comments(0)
■春=立春から立夏前日まで(陽暦2月4日ころ~5月5日ころ)
○時候(暑さ寒さ)
立春・日脚伸ぶ・冴えかへる・あたたか
○天文(空模様)
朧・陽炎・風光る・春の空(風・雲etc.)
○地理(土地の様子)
水温む・雪解・春泥・春の山(川・海etc.)
○生活(暮らし)
草餅・麦踏・花見・卒業(入学)
○行事(儀式)
雛祭・花祭・遍路
○動物(動きまわるもの)
孕馬(鹿)・猫の恋・蝌蚪(蛙)・鴬・雉子・雲雀・燕・若鮎・白魚・栄螺・蛤・蝶・蜂
○植物(根が生えたもの)
春の草・木の花・菜の花・和布・海苔

■夏=立夏から立秋前日まで(陽暦5月6日ころ~8月7日ころ)
○時候(暑さ寒さ)
立夏・麦秋・短夜・暑し・涼し・夜の秋
○天文(空模様)
日盛(西日)・南風・薫風・夕立(凪)・虹・梅雨(五月雨)・夏の空(風・雲etc.)
○地理(土地の様子)
植田・泉(清水・滴り)・出水・滝・卯波(土用波)・夏の山(川・海etc.)
○生活(暮らし)
田植・麦刈・梅干・草取・更衣・浴衣・髪洗ふ(香水)・夏帽・簾・日傘・扇(打水・水遊び・端居・扇風機・昼寝)・繭・鵜飼・螢・登山
○行事(儀式)
端午・祭(祇園会・禊)・安居・母の日(父の日)・原爆忌
○動物(動きまわるもの)
蛇・金魚・蝉・蟻・蝸牛・時鳥・蝿・天道虫・毛虫
○植物(根が生えたもの)
新緑(樹)・若葉(青葉)・夏草・麦・卯の花・紫陽花・花菖蒲・山梔子・薯莪の花・向筍・蕗・蚕豆・枇杷・夕顔・茄子(赤茄子)・向日葵・芍薬・牡丹・百合

■秋=立秋から立冬前日まで(陽暦8月8日ころから11月6日ころ)
○時候(暑さ寒さ)
立秋・秋・残暑・新涼・秋の暮・夜長・爽やか・秋寒(朝寒・夜寒)・暮れの秋(行く秋)
○天文(空模様)
月(盆の月・名月・十三夜)・星月夜・銀河・流星・稲妻・霧・露・秋の空(風・雲etc.)
○地理(土地の様子)
花野・刈田・水澄む・秋の山=山粧ふ(川・海etc.)
○生活(暮らし)
燈籠・夜学・新酒(新走)・新米・栗(茸・零余子)飯・新蕎麦・秋灯・冬支度・案山子(鳴子)・稲刈・夜なべ・菜種(大根)蒔く・萩(木賊・萱・芦)刈る・紅葉(茸)狩・秋思
○行事(儀式)
七夕・盂蘭盆会・硯洗・重陽・秋祭・墓参
○動物(動きまわるもの)
鹿・猪・渡り鳥(小鳥)・稲雀・落鮎・鰯・秋刀魚・鮭・蜻蛉・虫
○植物(根が生えたもの)
木槿・芙蓉・木犀・萩・桃・梨・林檎・柿・葡萄・栗・柚子・西瓜・糸瓜・芋・唐辛子・玉蜀黍・蕎麦の花・茸・紅葉・蔦・烏瓜・朝顔・(草の花)

■冬=立冬から立春前日まで(11月7日ころ~2月3日ころ)
○時候(暑さ寒さ)
立冬・冬・小春・冬至・年の暮・行く年・寒・短日・冷たし(寒し)・凍る・冴える・
○天文(空模様)
冬日・冬晴・北風(木枯)・時雨・霜・雪・冬の空(風・雲etc.)
○地理(土地の様子)
枯野・水涸る・霜柱・雪野・氷柱・冬の山(川・海etc.)
○生活(暮らし)
年用意・飾売・年忘れ・毛布・セーター・冬帽・手袋・マフラー・冬囲・日記買ふ・火事・風邪(咳)・懐手・日向ぼこ・探梅
○行事(儀式)
七五三・柚子湯・クリスマス・豆撒き(追儺)
○動物(動きまわるもの)
熊(狼・狐・狸・兎)・鷹(鷲・隼・鳶)・狼・梟・水鳥(鴨・千鳥・鳰)・鱈・鰤・河豚・海鼠・牡蠣・綿虫(雪虫)
○植物(根が生えたもの)
冬の梅・臘梅・冬桜・寒椿・山茶花・茶の花・竜の玉・蜜柑・木の葉(枯葉・落葉)・枯木・水仙・千両(万両)・冬菜・白菜・葱・大根・蕪・人参・枯草・返り花

■正月=睦月。江戸時代までの陰暦では新春だが、明治時代以降の陽暦の時代になって、節分(立春の前日)以前に新年が来ることになった。それで正月を春の部に入れられなくなり、俳句歳時記は春夏秋冬の他に新年の部を設けるようになった。節気上は冬だが、行事としては伝統的な春の季感を残していることばの集合である。なお連句は近世の式目をもとにするので、今のところ初春(孟春)として扱うのが穏当。
○時候(暑さ寒さ)
新年・初春・去年今年
○天文(空模様)
初日・初空・初凪
○地理(土地の様子)
初富士・初筑波
○生活(暮らし)
松飾・獅子舞
○行事(儀式)
元日・門松・初詣・初夢・書初・初湯・七種(若菜)・小正月・左義長
○動物(動きまわるもの)
初雀・初鴉・初鶏
○植物(根が生えたもの)
福寿草
by bashomeeting | 2012-11-07 15:09 | Comments(0)
 福岡の中州の宿は食事が付いていなかったので、那珂川沿いに点在する、屋台を覗くことにした。観光客に人気と聞いていたからだ。「一平」というのれんが気に入って、そこに入った。郷里の歌人西村一平を思い出したのである。屋台の「一平」は四十代かと思われる男が一人で切りまわしていて、彼で三代目であるという。店の名に縁を感じて入った旨を話し、一杯の酒で三十分ほど四方山話をした。帰りがけに、「この先に十軒ほどかたまっている屋台には行くなヨ」と忠告された。理由は、一見の客とわかれば法外な代金を請求するからだという。市役所に観光客からの苦情が絶えず、屋台の風上に置けぬ輩が増えているという。それで、コンビニでサンドイッチを二つ買って、ベッドの上のささやかで、行儀の悪い夕食になった。

 眼前の那珂川を往き来する舟を見ながら酒を呑んだせいであろうか、杜甫の絶句の一節、「門ニハ泊ス東呉萬里ノ船」をぼんやり思い浮かべた。

      絶句
  両箇ノ黄鸝翠柳ニ鳴キ
  一行ノ白鷺青天ニ上ル
  窗ニハ含ム西嶺千秋ノ雪
  門ニハ泊ス東呉萬里ノ船

 芭蕉もこの詩を引いて、「乞食の翁」という名で流布する句文を残している。天和元年(1681)冬、三十八歳の成立というのが定説。「我其句を職て、其心ヲ見ず。その侘をはかりて、其楽をしらず」という箇所が好き。芭蕉のこの自己認識は、彼が「軽み」を志向してゆくはじまりではないか。ボクはそう思っている。

  窗含西嶺千秋雪
  門泊東海万里船
                 泊船堂主 華桃青
 我其句を職て、其心ヲ見ず。その侘をはかりて、
 其楽をしらず。唯、老杜にまされる物は、独多病
 のみ。閑素茅舎の芭蕉にかくれて、自乞食の翁
 とよぶ。

   櫓声波を打てはらわた氷る夜や涙
   貧山の釜霜に鳴声寒シ
      買水
   氷にがく偃鼠が咽をうるほせり
      歳暮
   暮々てもちを木玉の侘寐哉
by bashomeeting | 2012-11-04 11:12 | Comments(0)
 十月三十日(火)のこと。大学一年生科目「基礎ゼミナール」で、連句の実作を通して、芭蕉の連句がどのようなものかを勉強してもらった。年間のスケジュール外のことだが、予定していた発表者が欠席したために、やむなく軌道修正。教材としている『奥の細道』から、今の季節にふさわしい「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」に注目し、「行く秋や」の笠付を求めて、発句とした。第三までを紹介すると、以下の通り。

行く秋や炊き込み御飯久しぶり  薫
炬燵の中に足がふれ合ふ    涼香
雪祭り大通りまで見に行かう   藍

 発句は久しぶりに炊き込み御飯を出されて喜んでいる句。脇は食事の場所を炬燵と定めたもの。晩秋(行く秋)から冬(炬燵)へ季移りしているし、脇句に恋の気配が漂ってしまってまずい。しかし、学生にとっては初めての連句であるし、この例からはからずも「季移り」やオモテ六句の心得、そして「恋の句」などテクニカルタームを覚えることは、教材としてむしろ好ましいと、大目に見ることに。第三は一読してサッポロの雪祭りと想像される。聞けば、藍くんは苫小牧の出身ということだった。ボクの子どものころの記憶では、ホッカイドウで炬燵は使わなかったと思うが、細かいことはよいことにした。
by bashomeeting | 2012-11-02 20:16 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting