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 海紅山房日誌の「姿情を求めて11◆自分を愛してはいけない」(2018年 09月 11日)で、〈「教えてはいけない」という教訓〉についてふれたのち、ぼんやりしていた記憶がよみがえってきた。それは芭蕉のことばであった。備忘として、以下に写しおく。

 俳諧は教へてならざる処あり。よく通ずるにあり。ある人の俳諧はかつて通ぜず。ただ物をかぞへて覚ゆるやうにして、通ずるものなし。(土芳『三冊子』)

▶▶咀嚼すると「俳諧は教えればうまくなる世界ではなく、自分で到達する世界である。ある人の俳諧は少しも読者に届かない。その理由は、ものを数えるように、理屈でわかろうとして、感じようとしないから。これでは俳諧をたしなむ意味がない」ということか。
by bashomeeting | 2018-09-30 12:03 | Comments(0)
 私の勤める大学に通信教育部があって、年に一度の地方スクーリングをしてきました。今年は『おくのほそ道』結びの地である岐阜県大垣でした。今年度で定年の私にはこれが最後の集中講義でした。感極まったわけではないのですが、最後であると思うとみんな教えてしまおうという気になって、しゃべりすぎたかと反省しています。恩師の「教えてはいけない」という教訓を破ってしまった気がするのです。これは、教えてもらおうとする学生は伸びないという哲学なのですが、最後の年に失敗してしまいました。「いつまでも俳句が下手な原因は自分を愛しているから。自分ではなく、人生を愛した方がよい」というのもそのひとつです。日々の御仕合わせを祈ります。

   靴下のかたちに折れて野分去る      海紅

▶▶『たしなみ俳句会報』44号(平成30年9月)より転載。
by bashomeeting | 2018-09-11 12:31 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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