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 「増頁総力奮努号」と銘打って、詩歌誌『北冬』18号が届いた。「奮努」という言葉を使ったことがない。奮励努力か、「奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の 今日も涙の陽が落ちる」(「男はつらいよ」作詞:星野哲郎)の奮闘努力を約めたものであろうか。

 企画名は「藤原龍一郎責任編集」による「特集・[江田浩司]は何を現象しているか。」という。「減少している」は使うが、「現象している」は使ったことがない。どんなありさまを提示しているか、どのように見えているかというふうな意味であろうか。先進とか前衛という場所に似合いの言葉である。

 江田浩司氏は歌人で、現代短歌史を論ずる評論家である。ついでに言えば、わたくしの親しい友人でもある。その江田浩司という「現象」について、神山睦美・野村喜和夫・筑紫磐井・島内景二ら、全38名が筆をとっている。そのなかに「江田浩司と俳句」という雑文をものした、わたくしも含まれている。ひとつの「現象」にこれだけの数の人々が集うこともまた興味深い「現象」といってよいだろう。

 しかし、毎日拾い読みを続けながら、わたくしの関心はこの多彩な執筆者を逸れて、彼らをしっかり束ねている北冬舎の編集・発行人柳下和久なる人物にそそがれている。遠くを観る目と、見続ける心の強い働きがなくては、このような仕事の継続はむずかしいからである。
by bashomeeting | 2018-11-23 17:19 | Comments(0)

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