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海紅山房日誌

この人の一篇◆椎名美知子さんからの詩の贈りもの〔其3了〕

  風が吹き飛ばしてくれる
                椎名美知子

誰だって心に引っかかるものを持っている
いろいろあってね
いろいろあるよね
電話の向こう
語らなくても分かり合えるものがある

心の中にしまっておくと重いから
前に出しておいてください
そう 風の通り道にです 
大きな袋を持って回収に行きます
そのあと空に舞い上がって
袋の口を開けまき散らします
広い空だからたちまち霧散してしまいます
心配ないよって木霊になって帰ってくるかもしれません
風下にいた人がうっかり吸い込んで
気持ちが灰色になって変だなあって首を傾げたりして
ウフッ
でも大丈夫 風がまた吹き飛ばしてくれます

考えてもどうにもならないことがある
ケセラセラ なるようになります
風が吹いていれば
そこにとどまっていることはないのです

電話の相手はもしかしたらいつかの自分
さあ 元気で行きましょう


# by bashomeeting | 2021-11-27 15:21 | Comments(1)

この人の一篇◆椎名美知子さんからの詩の贈りもの〔其2〕

  小春日
           椎名美知子

小春日には
越し方の暖かい日が宿っていて
ふと立ち止まる人に語り掛ける

母と縁側で
どうということもない話をした
ひとこま

小さかった娘たちと
駆け回った広場のカーンとした
ひととき

そこここに
あの日この日が止まっている

今まで何とか歩いてきたでしょ
急ぐことはないよ
遊んでいって

かすかな風を連れて
小春日が誘ってくれる


# by bashomeeting | 2021-11-27 15:18 | Comments(0)

この人の一篇◆椎名美知子さんからの詩の贈りもの〔其1〕

  お日様
             椎名美知子

今日は
とてもいいお天気
ベランダに干したお布団で
きっとお日様がいっぱい
お昼寝しているよ

夜になっても
お日様は隠れていて
ぽかぽかあっためてくれる

そんなあったかいもの
いつも持てたらいいな
曇っているときもあるよね
雨の時もあるよね
いいお天気の日には
たくさん蓄えておこうね

誰かをあっためられたらいいな
自分もあったまれたらいいな

ほんわり
お日様みたいだったらいいね


# by bashomeeting | 2021-11-27 15:13 | Comments(1)

この人の一篇◆椎名美知子さんからの詩の贈りもの〔序〕

  故郷に母在りし日の小春かな  海紅

 平成18年(2006)4月以降、芭蕉会議サイトに海紅句抄というタイトルで、月にふたつの拙い句を示して、各位に批判を乞うているが、掲出句「故郷に」は11月前半の一句である。
 ひごろ、〈俳句を含む詩歌は作者のものである以上に、読者のものである〉と言っているボクの意図をくんで、折々の感想を寄せていただいているが、過日詩人の椎名美知子さんから「この句から三篇の詩ができたので、お暇なときに読んで・・・」というE-mailが届いた。一人占めするのはモッタイナイので、この序に続いて紹介します。
 詩のみならず、連句の付句がうまれる場所を示唆するものとしてお読みいただければ幸いです。


# by bashomeeting | 2021-11-27 15:07 | Comments(0)

紹介◆宮野惠基著『歌人が巡る中部の歌枕 北陸の部』(文化書房博文社刊)

 宮野惠基氏の『歌人が巡る中部の歌枕 北陸の部』(文化書房博文社、令和3・10・25刊)が出た。「歌人が巡る歌枕」シリーズの六冊目にあたる。この間に『短歌でめぐる四国八十八ヶ所霊場』と『全国歌枕総覧』という大冊も世に問うているから、すでに偉業の名に価するであろう。著者は〈歌枕ということばとの出逢い〉は谷地の『おくのほそ道』講義にあったと書いている関係で、前著『歌人が巡る九州の歌枕 宮崎・鹿児島・熊本・佐賀・長崎の部』以降、「講評」という題目でわたくしも一文を草して、その研鑚を讃えている。家持が後世に残した和歌伝統や、芭蕉の歌枕探訪の意味を探る人にはきわめて示唆的な著書として、座右に置かれることを願っている。
# by bashomeeting | 2021-10-26 19:42 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。
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