人気ブログランキング | 話題のタグを見る

終戦記念日◆霊あらば親か妻子のもとに帰る靖国などにゐる筈はなし 市村 宏(『東遊』)

大学院は和歌文学の講義が主で、私の専攻する俳諧の講義はひとつもなかった。もう数年勉強して帰郷し、高等学校教師になるつもりだったから、専攻にこだわらず、国文学を幅広く学べばよいと考えていた。掲出歌の作者、市村宏先生は万葉集の御担当で歌人。明治37年(1904)長野県上高井郡小布施村の生まれ。陽明学者の高井鴻山は同族と聞いた。平成元年(1989)没。先生の引率で小布施に遊んで、一茶資料展をみた思い出がある。場所は北斎の天井画のある岩松院であった。
# by bashomeeting | 2023-08-15 13:55 | Comments(0)

ワークショップ:連句入門2(転載)/2月の芭蕉会議(白山句会2月例会)

 2月の芭蕉会議は海紅担当で「ワークショップ:連句入門」をおこないます。大学のゼミで、何十年も近世俳諧を取り上げてきましたが、その総仕上げは毎年「いちど連句をこわしてみよう」という実作体験でした。それを真似て「連句のイノベーション(新機軸)」という遊びをおこないます。何の準備も要りません。海紅の誘導に乗って遊んでいただければよい。

 参加者は会員限定です。しかも、出入り自由です。近日中に始めますので、「白山ネット連句会」を覗いてください。

 昨年は6月12日(日)に2年4ヵ月ぶりの対面での句会が出来ましたが、その他はネット句会でした。コロナ感染状況からやむを得ないことでしたが、幹事会に「ややマンネリズムに落ち入っているので、2月は連句の遊びでもしましょうか」と、提案して了承されました。

 場所は「白山ネット連句会」ですが、ワークショップの性格上、必要に応じて「海紅山房日誌」も併用します。海紅一人では成立しませんし、目的は「誰もが気軽に遊べる連句」ですから、素人と思っている人は有資格者です。すべて海紅が誘導します。未完成に終わるかもしれません。それでも最後には連句を面白いと思っていただけると信じています。

▶▶これは「白山句会2月例会(ワークショップ:連句入門)」の転載。場所は「芭蕉会議」→「お知らせ}→「2月06日」と進んだページです。キイワードは「いちど連句をこわしてみよう」「連句のイノベーション(新機軸)」「素人は有資格者」です。
# by bashomeeting | 2023-02-08 21:54 | Comments(0)

ワークショップ:連句入門1(口上)

今月(2月)の芭蕉会議は本来白山句会枠だが、「ワークショップ:連句入門」と題して連句に遊ぶことになった(場所は「芭蕉会議」→「白山ネット連句会」と入るページ)▲連句は長句(五・七・五)と短句(七・七)を交互に展開する詩形式。なじみの薄い人に配慮し、補足用にこのブログ「海紅山房日誌」を併用する。


# by bashomeeting | 2023-02-08 17:19 | Comments(0)

2023年賀

あけましておめでとうございます

   2023年癸卯 歳旦

鴨長明を思ふ

手のやつこ足の乗りもの手毬唄   海紅

# by bashomeeting | 2023-01-01 03:21 | Comments(0)

終戦記念日◆霊あらば親か妻子のもとに帰る靖国などにゐる筈はなし 市村 宏(『東遊』)

     召 集
            金子光晴
  
   バネのこわれたベッドのうえに
   仮死の子が横たわる。
   むりにも子供を病人にしたて、
   敵のてだてのうらをかこうと。

   非国民の父親は、窓をしめきり、
   松葉で子をいぶしたり、
   裸にして、庭につき出し、
   十一月の長雨にたたかせたり、

   子は、衰えて眠る。夜もふけて、
   父は、子のそばで紅茶をいれる。
   人がみな、鬼狼になった時代を、
   遮断する、破れカーテンのうち、

   タムの穿く
   刺繍の靴。
   蒟醤の箱、プノンペンの面。
   それら、みな。

   子の父や、母が、子のために
   世界のすみずみを旅して
   あつめかえったおもちゃの影まぼろし、
   幾歳、心の休み所となったこのかくれ家。

   この部屋も、あすは木っ端みじんとなろう。
   だが、その刹那まで、
   一九四〇年日本の逆潮を尻目の、
   ここの空間だけが、正しいのだ!

   窓のすきまを忍び込む、
   風がことりという。
   戸外の夜陰をひっさらって
   「時」の韋駄天走りをかいまみて、

   子と父を引き裂くその「時」が
   刻々に近づく
   だが、その不安を
   しまいまで、口にすまい。

   子はねむる。わるい夢をみてか
   ときどき、うなされるが、
   父は、机にむかって、
   アリストファネスをよむ。


▶▶金子光晴(昭和50没、享年80)。作品は『落ちこぼれた詩をひろいあつめたもの』という詩群による。
# by bashomeeting | 2022-08-15 17:11 | Comments(0)

芭蕉会議の谷地海紅(快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting