噂に聞いていた中川四明の『四明句集』(ふらんす堂、R3.7.1)をいただいた。坪内稔典さんの大阪俳句史研究会の編になる。
四ヶ月前に根本文子さんの労作『正岡子規研究―中川四明を軸として―』(笠間書院)が出ていて、なんだか時代が四明を欲している気がして嬉しい。
四季の句を二句ずつあげてみます。
春雨の音の嬉しき幕間かな
物かはと女わたりぬはるの水
涼しさや鑓水に灯の走りゆく
笠二つ一つは立ちぬ田草取
後から猫が鳴きけり秋の暮
菊の香や石器あつむる考古癖
古本をさがしてあるくこはるかな
鉢叩応仁の乱過ぎしより
イイ句ですね。